----- ラブリー
>>> あとがき
みなさまこんにちは。
約4ヶ月弱、このお話は続いてきましたが、これでめでたく終わりを迎えることが出来ました。「パーフェクト」シリーズとしてもこれで完結です。まだちらほらオマケみたいなモノを書くかもしれませんが…。
実はクリスマスの番外編を書いていた頃に、二人が大学に進むあたりまではぼんやりと考えていたのですが、こういう結末になるとは作者本人も思ってもみませんでした(笑)
しかもあんな賞を椿が取るなんてって、ほんと人ごとのようですが、人間何を思いつくか分かんないものですね。
今回は大まかなことだけ決めて、そこへ辿り着く経緯はその時の二人の動きに任せてみようと試みて書いてみました。そうしましたら、書き進めていくうちにあれよあれよと長くなっていって、気がついたら約220枚。ここまで長くなるとは…。今、これを読んで下さってるみなさま、本当にお疲れさまでした(笑)
このお話を書くに当たってのポイントというか、外せなかったのは、椿が美哉を必要としてる理由です。「怒る」こと。喜怒哀楽のなかでも、椿が最も表に出してこなかった感情ですね。
当たり障りのない人って、きっとこの感情をなかなか出さない人なんじゃないでしょうか。個人的には、怒ることがいちばん人となりが表れるような気がするのです。
ちょうど、プライベートでもいろいろ考えてたりしてたことだったんですが。不思議なことに、あちこちで見聞きすることにリンクしてたりして、まさに糸のように広がって繋がってこのお話が出来上がったと言っても過言ではないかも知れません。
ところで「パーフェクト」シリーズは一人称でのお話なのですが、そういうことを書こうと決めたときに、どちらの目線で書くか、今回は非常に迷いました。どっちもアリなんですが、お互いのじれったいほどのすれ違う心境を表現するとなると、やはり一人称は一方通行な目線でしかないわけでして…。
結局どちらの気持ちも捨てきれなくて、交互に展開していくことを選んでしまいました。
どちらかと言えば椿よりなんですけどもね。
それからプロットをあまり作りこまないで書く試みの他に、もう一つの試みとして「連載」という形がありました。今まで全て書き上げてから一気に公開していたのですが、今回は半分くらい書き進めた段階で連載にしようと決めました。
なんというか、各話数ごとの反応を見てみたいなという好奇心からだったのですが、ありがたいことにその間たくさんの感想を戴くことが出来ました。いろいろと得るものもあって興味深かったです。
今回のお題は小沢健二の「ラブリー」から(笑)底抜けに明るい曲ですが、テーマソングというか、書き始めの頃は頭のなかをずーっと回ってました。なんと言っても『Life is comin' back』という言葉に、この話の全てが集約されてます。
あとは椎名林檎チャンの「ここでキスして」も頭をぐるぐると…。
途中、一周年記念と題してパラレルなお話で脱線したりもしましたが、なにはともあれとても楽しく書くことが出来ました。椿と美哉、そして二人を取り囲む人々を応援して下さって、ほんとうにありがとうございました。
さて、次回作は「嘘つき」シリーズです。
こちらの二人はまだまだじれじれと進んでいく予定です。中編くらいの長さのお話ですが、もう既に書き上がっていますので、比較的早くお届けできると思います。
ではまた次の作品で。
2003年7月12日 木坂むつ
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