浩妙院殿廟前燈籠 |
池上本門寺浩妙院殿(前田利常女・森忠広室)供養塔の前に備えられた石燈籠。加賀藩主前田利常の生母寿福院(千代保)の建立による。1基。
森忠広室「亀鶴」は徳川秀忠の養女となって森忠政の嫡子忠広に寛永3年(1626)にとついだが、寛永7年(1630)に死去した(18歳)。法名は「浩妙院殿天惣日真大姉」。
浩妙院の墓所は石川県羽咋市の金栄山妙成寺(日蓮宗)に祖母壽福院の墓に並んで現存するが(分骨墓か)、この池上本門寺にも供養塔として層塔が建てられた(現存)。本燈籠はこの前に建てられたものである。
燈籠は高さ約2メートル35pで、宝珠は五輪等の風・空輪のため、これは当初のものではない。竿は竹型で江戸時代初期の形式である。竿に銘文がある。
銘の場所 | 銘 文 |
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竿 | 奉納石燈籠 浩妙院殿天惣日真大姉 寛永第七庚午年八月四日 願主壽福院日榮 敬白 |
建立年は浩妙院の死去した年月日となっている。浩妙院その死を悼んだ壽福院が供養塔を建てて間もない頃に奉納したのであろう。もともとは1対であったと思われるが、現存するのは1基だけである。
[拝観]不可(松濤園は本門寺の庭園で、一般の立ち入りは禁止である)
(007/2006/4/30)
〔附記〕本項は池上本門寺早水日秀執事長・霊寳殿担当安藤昌就氏のご高配によりなりました。ここに記して御礼申し上げる次第です。